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急速充電 読了目安 10分

EVの急速充電が遅い4つの理由|残量・温度・充電器を解説

更新 2026.09.05さわちゃん

EVの急速充電を使っていると、「90kWの充電器なのに思ったほど速くない」「前回より残量が増えない」と感じることがあります。

私も2019年式の日産リーフe+(62kWh)で、急速充電の速度が大きく変わる場面を何度も経験してきました。

特に印象に残っているのは、真夏の長距離移動で急速充電を繰り返したときです。バッテリー温度が高温側へ近づき、その後は30分充電しても残量が約15ポイントしか増えなかったと記憶しています。

先に結論を言うと、急速充電の速度は、充電器に書かれた「50kW」「90kW」といった数字だけでは決まりません。

バッテリー残量、バッテリー温度、車両側の受入性能、充電器側の条件が重なって、そのときの充電出力が決まります。

この記事では、リーフe+での実写・実体験と公式情報をもとに、急速充電が遅くなる理由と、遅いときに確認する順番を解説します。

記事のポイント

  • 急速充電器の「90kW」は最大出力であり、常に90kWで充電できるわけではない
  • バッテリー残量が増えると、車両側が受け入れる電力を抑えることがある
  • バッテリーが高温・低温のどちらでも急速充電時間が長くなることがある
  • 車両側の受入性能より高出力な充電器につないでも、車両の上限を超えては受け取れない
  • 私のリーフe+では、外気温33℃・50kW級充電器で46kW充電中の表示を確認し、充電前後でバッテリー温度表示が高温側へ動いた
  • 真夏の連続急速充電では、30分で約15ポイントしか増えなかった経験がある

EVの急速充電が遅い4つの理由|残量・温度・充電器を解説のアイキャッチ画像

結論|急速充電の速度は「充電器のkW」だけでは決まらない

急速充電が遅くなる主な理由は、次の4つです。

EVの急速充電が遅くなる4つの理由を、バッテリー残量・バッテリー温度・車両側の受入性能・充電器側の条件に分けた図解
急速充電の実際の速度は、充電器の最大出力だけでは決まりません。

たとえば90kWの急速充電器につないでも、車がその瞬間に受け入れられる電力が60kWなら、90kWで充電されるわけではありません。

e-Mobility Powerも、実際の充電電力量が変わる理由として、車両の充電性能、充電器の出力、バッテリー残量、充電器の稼働状況、外気温などを挙げています。

急速充電の速度について疑問を持つモル
モル
充電器に90kWと書いてあっても、ずっと90kWで入るわけではないんだね。

急速充電が遅くなる4つの理由

1.バッテリー残量が多いと充電速度が落ちやすい

急速充電は、0%から100%まで同じ速度で入るものではありません。

バッテリー残量が増えるにつれて、車両側がバッテリーを保護するために受け入れる電力を抑えることがあります。

私自身、長距離では70%台で切り上げることが多く、必要がなければ80%以上まで急速充電を続けません。残量が多くなるほど、待ち時間に対して増える残量が少なくなりやすいからです。

ただし、この記事では「何%まで充電するのが最適か」までは深掘りしません。ここでは、残量そのものが充電速度を左右する要因の1つと覚えておけば十分です。

2.バッテリー温度が高いと急速充電が遅くなることがある

私が急速充電を使っていて、特に注意しているのがバッテリー温度です。

日産は、バッテリー温度が高くなる原因として、高速道路の連続走行や急速充電、それらを繰り返す状況を挙げています。また、バッテリー温度が高くなると急速充電時間が長くなる原因になると案内しています。

旧型リーフe+では、メーターの「バッテリー温度」表示で状態を確認できます。真夏の長距離では、残量だけでなくこの温度表示も見るようにしています。

3.バッテリーが冷えすぎていても遅くなることがある

急速充電は、暑いときだけ遅くなるわけではありません。

日産は、リチウムイオンバッテリーの温度が低い場合も、急速充電時間が長くなる原因になると案内しています。

私は冬に真夏と同条件の比較検証をしていないため、「冬なら必ず速い」とは判断していません。

4.充電器が高出力でも、車がそのまま受け取れるとは限らない

50kW、90kW、150kWなどの表示は、基本的に充電器側の最大出力です。

実際に車へ入る電力は、車両側の受入性能と、その時点のバッテリー残量や温度などによって変わります。

2019年に登場した62kWhの日産リーフe+は、日産公式で最大出力100kWの急速充電に対応と案内されています。

そのため150kWの充電器につないでも、リーフe+が150kWで受け入れるわけではありません。

外気温33℃で50kW級急速充電器を使用し、日産リーフe+のメーターに46kWの充電出力が表示されている実写写真
外気温33℃、残量23%のときに実出力46kWを確認。50kW級充電器でも表示どおり常に50kWになるわけではありません。

なお、より高い電力を車両が実際に受け入れているときは、バッテリーの発熱も増えやすくなります。ただし温度上昇は、充電出力だけでなく残量、開始時のバッテリー温度、外気温、走行状況、車両の温度管理などにも左右されます。

ポイント:「高出力充電器につないだ=必ず速い」ではなく、車両とバッテリーの状態まで含めて考える必要があります。

実写|50kW級急速充電の前後でバッテリー温度が上がった

ここからは、実際に私のリーフe+で確認できた例です。

この日は外気温33℃。50kW級の急速充電器を使用しました。

  • 11:45:残量16%、バッテリー温度表示は通常域の中央付近
  • 11:54:残量23%、実充電出力46kW
  • 12:19:残量62%、温度表示の白いバーが充電前より右側へ移動
外気温33℃で50kW級急速充電器を使用し、日産リーフe+の残量が16%から62%になる間にバッテリー温度表示が高温側へ移動した比較図
写真の時刻は11:45→12:19の34分差。充電中には46kWの実出力を確認しています。

この例では、右端の高温側の赤い領域には達していません。

そのため、この写真だけを見て「出力制限が起きた」とは判断できません。一方で、1回の急速充電前後でバッテリー温度表示が高温側へ動いたことは実車で確認できます。

そして真夏の長距離では、高速走行と急速充電を繰り返すことになります。1回ごとの温度上昇が積み重なると、次の急速充電で速度が出にくくなる可能性があります。

50kW級急速充電前後の温度変化を説明するモル
モル
この写真では高温域ではないけど、急速充電の前後で温度が上がっているのは分かるね。

真夏の連続急速充電で30分約15ポイントまで低下した体験

数年前の真夏、外気温30℃を超える日にリーフe+で東京まで長距離移動したことがあります。

途中で急速充電を4回ほど繰り返しました。1回目、2回目は普段どおりでしたが、3回目の充電を終えるころには、バッテリー温度計が高温側(赤色側)へかなり近づいていたと記憶しています。

その後、約150km・1時間半前後走りましたが、真夏の走行中に温度が十分下がった感覚はありませんでした。

東京到着後にイオンの急速充電器を30分利用したところ、開始時は残量50%未満だったと思いますが、残量は約15ポイントしか増えませんでした。

真夏に日産リーフe+で高速走行と急速充電を繰り返し、バッテリー温度が高温側へ上がって30分の急速充電で約15ポイントしか増えなかった体験を示す時系列図
数年前の体験をもとにした記憶値です。当時の充電出力(kW)の記録は残っていません。

私の普段の利用では30分で40ポイント前後増えることもあったため、このときは明らかに遅いと感じました。

ただし、当時の充電器や車両画面のkW表示は記録していません。したがって「何kWまで低下した」とは断定できません。約15ポイントという数値も、当時の記憶をもとにした目安です。

警告灯が出ていなくても、充電速度は変わる

東京へ行ったとき、私のリーフe+に出力制限の警告灯は出ませんでした。

走行中も、アクセルを踏んでも加速しないといった走行側の制限は感じていません。

一方、日産は、外気温が高いときや連続高速走行、急速充電を繰り返したときなどにバッテリー温度が上がり、出力制限表示灯が点灯する場合があると案内しています。

つまり、警告灯が点灯するほどの状態になる前から、バッテリー温度を確認しておく方が長距離では安心です。

高温で急速充電が遅くなったらどうする?

当時の私は「少しでも多く入れたい」と、充電が遅くてもそのまま待っていました。

今なら、温度計が高温側へ大きく寄り、充電速度も明らかに落ちているなら、無理に急速充電を繰り返さず長めの休憩を取ります。

翌日も長距離を走る予定なら、私なら可能であれば一晩休ませたいと考えています。これは私自身の経験から考える運用です。

日産は、急速充電中に出力制限表示灯が点灯した場合、パワースイッチをOFFにして表示灯が消えるまで待ち、可能であれば日陰で照り返しのない場所へ移動するよう案内しています。

真夏の連続急速充電でバッテリー温度に注意するモル
モル
真夏に何度も急速充電するなら、残量だけでなく温度にも余裕を持たせよう。

急速充電が遅いときの確認順序

「今日は充電が遅い」と感じたら、私は次の順番で原因を切り分けます。

EVの急速充電が遅いときにバッテリー残量、バッテリー温度、充電器の最大出力、車両側の受入性能、エラー表示の順で確認する図解
まず残量と温度、その後に充電器と車両側の条件を確認すると原因を切り分けやすくなります。
  1. バッテリー残量:満充電へ近いなら、残量による出力低下を疑う
  2. バッテリー温度:真夏の長距離・連続急速充電後なら特に確認する
  3. 充電器の最大出力:そもそも何kWの充電器なのか確認する
  4. 車両側の受入性能:充電器より車両側の上限が低いこともある
  5. エラー表示:途中停止や極端な低出力なら、設備側の異常も確認する

「充電が遅い」と「充電が途中で止まった」は別の問題です。

途中停止した場合は、残量や温度だけで決めつけず、充電器側のエラー表示や案内も確認してください。

急速充電が遅いときによくある質問

90kWの急速充電器なのに90kW出ないのは故障ですか?

故障とは限りません。90kWは充電器側の最大出力で、実際の出力は車両の受入性能、バッテリー残量、温度、設備側の条件などで変わります。

残量が多いとなぜ急速充電が遅くなるのですか?

満充電へ近づくにつれて、バッテリーを保護するために車両側が受け入れる電力を抑えることがあるためです。

真夏に急速充電を繰り返すと必ず遅くなりますか?

必ずではありません。車種、バッテリー温度、外気温、走り方、急速充電の出力などによって変わります。私の2019年式リーフe+では、真夏の連続急速充電で大きな速度低下を経験しました。

冬なら急速充電は速くなりますか?

一概には言えません。バッテリー温度が低すぎる場合も急速充電時間が長くなることがあります。私は冬に同条件の比較をしていないため、「冬なら問題ない」とは断定していません。

急速充電が遅いときは何から確認すればいいですか?

まずバッテリー残量と温度を確認します。その次に充電器の最大出力、車両側の受入性能、エラー表示を確認すると原因を切り分けやすくなります。

まとめ|急速充電が遅いときは残量と温度から確認する

EVの急速充電速度は毎回一定ではありません。

充電器の最大出力だけでなく、バッテリー残量、バッテリー温度、車両側の受入性能、充電器側の条件によって変わります。

私のリーフe+では、外気温33℃の日に50kW級急速充電器で46kWの実出力を確認し、充電前後でバッテリー温度表示が高温側へ移動しました。

さらに真夏の長距離で急速充電を繰り返したときには、バッテリー温度計が高温側へ近づき、その後の30分充電で約15ポイントしか増えなかった経験があります。

「何kWの充電器か」だけを見るのではなく、「今の残量と温度で車がどれだけ受け入れられる状態か」まで考える。これが、急速充電が遅いときに私が最初に確認するポイントです。

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