中古リーフが安いのは故障車だからではない
中古リーフの安さを、故障だけで説明することはできません。年式や走行距離だけでなく、バッテリー状態の評価の難しさや、充電できる環境が購入者を限定しやすいことも関係すると考えられます。
国土交通省の掲載資料でも、中古EVのバッテリー性能を適切に評価しにくいことが、流通価格の課題として示されています。
安い車両がすべて買い得とも、高い車両がすべて安心とも限りません。価格と車両の状態を分けて確認しましょう。
モル中古リーフが安いからといって、すべて故障車というわけではありません。価格とは別に、バッテリー・保証・整備履歴を確認しましょう。
国土交通省掲載資料|カーボンニュートラルに向けた中古自動車販売について
中古リーフは新車価格からどれだけ安い?
2019年に発売されたリーフe+ Xの新車価格は416万2,320円でした。62kWhバッテリーを搭載し、WLTCモードでの一充電走行距離は458kmです。
2026年8月14日にカーセンサーで確認したところ、2代目リーフe+ Xは21台が掲載されており、ページ上の平均価格は144.6万円でした。
| 確認項目 | 金額・台数 | 注意点 |
| 2019年のリーフe+ X新車価格 | 416万2,320円 | 当時の消費税込み価格 |
| 2026年8月の掲載平均価格 | 144.6万円・21台 | 複数年式・異なる車両状態を含む |
単純計算では、掲載平均価格は当時の新車価格の約34.7%です。ただし、これは同じ車両の正確な残価率ではありません。年式、走行距離、修復歴、保証内容などの条件がそろっていないためです。
モル調査時の掲載平均価格は新車価格の約34.7%でした。ただし、年式・走行距離・保証などが異なるため、単純な残価率ではありません。
中古車価格は変動します。この数字は2026年8月14日に確認した掲載情報として見てください。
日産公式|リーフe+を発表
カーセンサー|2代目リーフe+ Xの中古車
中古リーフが安いと考えられる5つの理由
中古車価格は一つの原因だけで決まるものではありません。以下の5点は購入者が価格を判断するときに関係する要素です。価格への影響額を直接確認できないものは、可能性として扱います。
1.バッテリーの状態を価格へ反映しにくい
中古EVは、年式や走行距離だけでなく、駆動用バッテリーの健全度も気になるところです。しかし、販売されている車両すべてにSOH(バッテリーの健全度)が表示されているわけではありません。
容量計が12セグメントでも、SOHが100%という意味ではありません。同じ年式や走行距離でも、使い方や充電履歴は異なります。判断材料が少ないことは、購入者の不安につながります。
現在、日産は一部販売会社の対象リーフで、SOHや想定残容量を示す「バッテリー状態証明書」を導入しています。すべての中古リーフに付属するものではないので、対象車か確認しましょう。
私が2021年に中古リーフを購入したときも、販売員から「今のバッテリー状態を維持し続けるのは難しい」という趣旨の説明がありました。5年後、10年後にどれほど劣化するかは分かりません。だからこそ、購入時点の状態を資料で把握することが大切だと今は考えています。
日産公式|バッテリー状態証明書
【合わせて読みたい:中古リーフ(ZE1)のバッテリー劣化を確認する方法|12セグ・SOH・保証の見方 →】
2.充電環境によって購入できる人が限られる
中古リーフの使いやすさは、充電環境によって変わります。自宅や勤務先で充電できる人には便利でも、公共の急速充電だけで運用する人には負担が増える場合があります。
日本自動車工業会の2025年度乗用車市場動向調査では、戸建て住宅に住むBEVユーザーが自宅充電を中心に利用していることが示されています。
自宅充電がないから購入できないわけではありません。ただし、普段利用する充電場所、料金、待ち時間を確認しないと不便に感じる可能性があります。
日本自動車工業会|2025年度乗用車市場動向調査
【合わせて読みたい:電気自動車の自宅充電は毎日必要?週1回で運用するリーフe+の実例 →】
3.新型EVとの航続距離や充電性能の差がある
2019年のリーフe+は62kWhバッテリーを搭載し、WLTCモードの一充電走行距離は458kmです。一方、新型リーフB7は78kWhバッテリーを搭載し、仕様条件によって最大702km、最大150kWの急速充電に対応します。
2代目ZE1型リーフのバッテリー温度管理は自然放熱方式で、高速走行と急速充電を繰り返すと充電速度が落ちる場合があります。故障とは限りませんが、長距離での使い勝手に影響する特徴です。
新旧モデルの性能差が中古価格を具体的に何万円下げたかは確認できません。ただし、購入者が旧型と新型を比較する材料にはなるため、価格に影響する可能性があります。
日産公式|新型日産リーフB7を発表
日産技報No.88|自然放熱方式と連続急速充電
4.掲載台数が多く車両同士を比較されやすい
2026年8月14日にカーセンサーで確認したところ、2代目リーフは1,377台が掲載されていました。
候補が多いと、年式・走行距離・保証・価格を比較しやすくなります。条件が劣る車両は価格面でも比較されやすいと考えられますが、掲載台数だけで供給過多とは断定できません。
カーセンサー|2代目リーフの中古車
5.保証の残り期間と新車補助金も影響しうる
日産リーフのバッテリー容量保証は、新車登録から8年間または16万kmの早い方までです。正常な使用条件下で容量計が8セグメントになった場合に、修理や部品交換で9セグメント以上へ復帰させる内容です。
少し容量が減っただけで、新品バッテリーへ交換する保証ではありません。私の車は購入時資料に初度登録が2019年5月と記載されているため、年数上は2027年5月に8年となります。中古車を選ぶときは、初度登録月と走行距離の両方から保証の残り期間を確認しましょう。
中古車で残りの新車保証を使うには、保証継承の手続きを確認しましょう。保証書やメンテナンスノートの内容も確認してください。
また、2026年8月時点でCEV補助金は中古車の購入を対象としていません。新車補助金は新車の実質負担を下げる要素ですが、中古リーフの価格を何万円下げたかは確認できないため、間接的な要因として扱います。
日産公式|リチウムイオンバッテリー容量保証
日産公式FAQ|中古車の保証継承
次世代自動車振興センター|CEV補助金
安い理由として断定しないこと
- 中古リーフは故障が多いから安い
- CHAdeMOを採用しているから安い
- 新車補助金が中古価格を特定額下げた
これらを価格下落の主因と決め付けられる資料は確認できません。安いというだけで危険な車だと判断しないようにしましょう。
86,418km走った私のリーフe+
ここからは、私が2021年に中古購入したリーフe+の話です。1台の実体験であり、すべての中古リーフに当てはまる結果ではありません。
- 車種:2019年式 日産リーフe+ X(ZE1)
- 初度登録:2019年5月(購入時資料の記載)
- バッテリー容量:62kWh
- 購入年月:2021年10月
- 購入時走行距離:31,207km(当時の購入資料の記載)
- 購入時の記録簿:なし(購入時資料では「無」)
- 購入総額:約300万円
- 2026年8月の走行記録:86,418km
- 容量計:12セグメント
- 正確なSOH:不明
走行距離86,418km時点で容量計は12セグメント。写真をタップすると元画像を開けます。
購入後、走行不能やレッカー移動はありません。高額修理や大きな故障も経験しておらず、普通充電・急速充電も車両側の大きな不具合はありません。
モル私のリーフe+は走行86,418kmで12セグを維持し、走行不能や高額修理もありません。ただし、正確なSOHは不明です。
加速力や乗り心地の大きな低下も感じていません。ただし、12セグメントはSOH100%を意味せず、私の車の正確なSOHも不明です。
購入当時は相場もリセールも気にしていなかった
2021年に購入したとき、私は中古リーフの相場をよく知りませんでした。将来の売却価格を考えたこともなく、販売員からリセールについて説明された記憶もありません。
故障については「どの車でも故障は起こりうるし、そのときに対応すればいい」と考えていました。そのため、将来の値下がりを心配して購入をためらうことはありませんでした。
ただ、実際に長く所有し、査定を受けてからリセールの弱さを意識するようになりました。中古車を安く買えても、売却時の価格まで保証されるわけではありません。
私のリーフe+は走行約8万2,000kmの時点で、実車確認した業者から70万円の口頭査定額を提示されました。これは実際の売却価格ではなく、他の車両にも同じ価格が付くという意味ではありません。
【合わせて読みたい:中古リーフのリセールは悪い?8.2万kmの実車査定 →】
満充電時に384kmと表示された
走行距離86,143kmの時点で満充電にしたところ、航続可能距離は384kmと表示されました。
走行距離86,143km時点の満充電後の表示です。タップすると元画像を開けます。
これはメーター上の予測表示であり、常に384km走れるという意味ではありません。表示は直前の電費、気温、エアコン使用状況によって変わります。
片道約40kmの通勤に使っている
普段は片道約40km、往復約80kmの通勤に使用しています。自宅の200V・3kWの普通充電で、週1回ほど充電しています。
自宅で200V・3kWの普通充電を利用しています。
家族4人で約1,040kmの旅行もできた
真夏に家族4人で約1,040kmの旅行をしたときは、急速充電を6回利用しました。充電計画を立てる必要はありましたが、旅行は完走できています。
家族4人で約1,040km走った旅行では急速充電を6回利用しました。
日常生活では航続距離に困っていません。一方、長距離移動では充電場所や立ち寄るタイミングを考える必要があります。利用する充電サービスによっては、アプリのダウンロードや会員登録にも手間がかかります。
私自身は大きなデメリットとは感じていませんが、ガソリン車と同じ感覚で乗りたい人には負担になるかもしれません。
【合わせて読みたい:EVの真夏の長距離旅行を実測|リーフe+で1,040km走った電費・充電回数・料金 →】
安い中古リーフを買ってよい人・避けたほうがよい人
| 購入を検討しやすい人 | 慎重に考えたい人 |
| 1日に走る距離が分かっている | 毎日の走行距離を予測できない |
| 自宅か勤務先で充電できる | 公共充電の待ち時間を許容できない |
| バッテリー資料と保証を比較できる | 価格だけで購入を決めたい |
| 航続距離や充電計画を考えられる | 給油と同じ短時間の補給を求める |
私は自宅充電と往復約80kmの通勤という使い方に合っており、中古リーフを購入したことに後悔はありません。ただし、リセールの弱さを後から知ったことや、長距離移動の充電計画は、購入前に理解しておくべき点だと感じています。
【合わせて読みたい:中古EVはやめとけ?2年落ちリーフを買って5年乗った私の結論 →】
後悔しないために購入前に確認したい6項目
- 年式と容量:40kWhか62kWhか確認する
- バッテリー資料:SOHと診断日を確認する
- メーター:容量計と警告灯を確認する
- 充電動作:普通充電と急速充電を確認する
- 保証:期限と保証継承を確認する
- 総額:整備と保証を含めて比較する
SOHが分からない車両が必ず不良車というわけではありません。ただ、判断材料が一つ減るのは事実です。診断資料の有無や、購入前に診断できるかを販売店に聞きましょう。
私なら、質問に答えられず、確認して説明する対応もしてくれない販売店では、購入を見送ると思います。EVを販売する側の説明が十分かどうかも、車両状態と同じくらい確認したい部分です。
候補車は可能なら2〜3台を比較しましょう。価格だけでなく、保証・整備・修復歴・バッテリー状態と支払総額を同じ条件で見比べると、安さの理由を整理しやすくなります。
モル最安車だけで決めず、SOH・充電動作・保証・支払総額を同じ表で2〜3台比較するのがおすすめです。
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中古リーフの価格を実際に比較したい方へ
中古リーフの希望価格・条件を伝えて車探しを相談する
中古リーフは安いから危険、高いから安心とは限りません。年式・走行距離・バッテリー状態・保証まで含めて複数台を比較すると、候補を絞りやすくなります。
- ✓希望車種・予算を伝えて相談できる
- ✓年式・走行距離の近い車両を見比べられる
- ✓候補車を見つけてから状態や保証を販売店に確認できる
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まとめ|安さより使い方と車両状態で判断する
中古リーフが安いのは、バッテリー状態の評価が難しいことや、充電環境によって買える人が限られることなど、複数の要素があるためと考えられます。新型車との性能差や、保証の残り期間も確認材料です。
私の2019年式リーフe+は86,418kmを走っても大きな故障がなく、毎日の通勤に使えています。ただし、リセールの弱さを所有後に意識したことや、長距離で充電計画が必要なことも事実です。
「安いから買う」ではなく、バッテリー・保証・販売店の説明と、自分の使い方が合うかを確かめてから選ぶ。それが後悔を減らす判断につながります。
次は中古EVを結局どういう順番で選ぶ?で、候補車の探し方と比較手順を確認してください。
参考にした主な情報